8/13 partⅡ空族

 

[私たちのやり方」【『FURUSATO2009』(50分)上映】

[私たちのやり方」【『FURUSATO2009』(50分)上映】
 
映像制作集団・空族とは何ものなのか? そのユニークな制作手法について聞きつつ、「映画」(作品)が立ち上がる場をともに考えます。私たちにとって、これからの映画とは?
※映画『サウダーヂ』へ至るリサーチ映像を編集して、新たな息吹を与えた傑作ドキュメンタリー『FURUSATO2009』(50分)上映。
※上映後にトーク(空族史、影響を受けているもの、制作手法、スピリット、昔ながらの映画業界との違い、etc.)、参加者と語り合います。
 
プロフィール
空族
映像制作集団。2004年、“作りたい映画を勝手に作り、勝手に上映する”をモットーに、『空族』を名のりはじめる。常識にとらわれない、毎回長期間に及 ぶ独特の映画制作スタイル。作品ごとに合わせた配給、宣伝も自ら行ない、作品はすべて未ソフト化という独自路線をひた走る。テーマは日本に留まらず、広く アジアを見据えている。
富田克也 1972年山梨県生まれ。2003年に発表した処女作、『雲の上』が「映画美学校映画祭2004」にてスカラシップを獲得。これをもとに制作した『国道 20号線』を2007年に発表。『サウダーヂ』(’11)ではナント三大陸映画祭グランプリ、ロカルノ国際映画祭独立批評家連盟特別賞を受賞。国内では、 高崎映画祭最優秀作品賞、毎日映画コンクール優秀作品賞&監督賞をW受賞。その後、フランスでも全国公開された。最新作はオムニバス作品、 『チェンライの娘 (『同じ星下、それぞれ夜より』)』(’12)。
相澤虎之助 1974年埼玉県生まれ。早稲田大学シネマ研究会を経て空族に参加。監督作、『花物語バビロン』(’97) が山形国際ドキュメンタリー映画祭にて上映。『かたびら街』(’03)は富田監督作品『雲の上』と共に7ヶ月間にわたり公開。空族結成以来、『国道20号 線』(’07)、『サウダーヂ』(’11) 『チェンライの娘』(’12)と、富田監督作品の共同脚本を務めている。自身監督最新作はライフワークである東南アジア三部作の第2弾、『バビロン2 THE OZAWA』(’12)。
 
 

「私たちのやり方」レポート

「私たちのやり方」レポート
 
<2017.8.13開催>
当日40人近くもの参加者が集まり行われたワークショップでは空族の『ふるさと2009』が上映されました。上映後、富田克也さん、相澤虎之助さん、そして急遽ご参加くださった、俳優・川瀬陽太さんを交え、案内人の下窪俊哉さんと共に「私たちのやり方」をテーマにトークとなりました。
 
下窪さんの進行により、吉祥寺美術学院と空族の出会いにつながる井川拓さんの存在の大きさにふれながら、細部にわたるフィルモグラフィー(下窪俊哉・編集)をもとに空族初期の作品や制作を辿っていきました。
 
私にだけ聞こえるような声だったのか、大勢の人に向けられた声だったのか定かではありませんが、私の聞いた質問にしばらく考えて富田監督は答えてくれました。
「言葉ってなんですか?」
「タイ語の語彙に『ピー』というのがあって、これは兄という意味で、尊敬すべき人間、もちろん家族、友人、先輩、誰にも使える言葉でわざわざその人の名を呼んだりしなくても人を感じることのできる言葉なんだ。その昔の人間は言葉というものもなく、ただ何となくまわりの存在を感じていたんだと思う。それが野生(ワイルド)だと俺は思う。」
 
空族のお二人のワークショップは、ぎりぎりの境目のところにあったのだと思います。遊ぶこと、戯れることと真剣さの境目のところに。
「俺たちはその日の撮影を終えるとすぐに、カメラを置いて、役者もスタッフも一緒になって遊んでいた。」
 
ワークショップ参加者は皆、ある空気を共有していたように思います。新しい時代が来ている、それも忘れかけていたものをみんながもう一度取り返すことによって。ワークショップ中のある参加者からの質問もそのような空気の中でこそ発されたのかもしれません。

「なぜ映画を撮るのですか?」
すると真剣な目をして答えました。
「桃源郷を見てしまった人間は、もう戦わずにいられない。」
私たちは八月のある一日を、こうして、遊びながらすごしました。(Tengo.A)